運転センス皆無の人間が合宿免許に挑戦する話②

前回に引き続き合宿免許の話を書きます。
この間は入校〜仮免(第一段階)にかけて書いたので、今回は仮免後(第二段階)〜卒検まで。

1. 仮免合格〜初めての路上教習

仮免技能試験・学科試験合格後からお話します。
仮免許証の発行は警察が行うので、多少の時間が必要です。
その間暇かというとそんなこともなく、1時間半ほどのお昼休憩を経てすぐ2コマ連続の二段階学科、さらに間髪入れず2コマ連続の初路上教習でした。(プラン日数や人によっても違うかも?私は最短の14泊15日プランです)
噂には聞いていましたが、合宿免許生にとってはです。
教習のコマの数が多く、殆ど休憩なしで進んでいくのでとっても疲れる1日でした……。学科は第一段階と同様に進んでいくので、寧ろその時間が休憩みたいな感じだったかも。
本題、初めての路上教習。私は始めての路上から2コマ連続(教習所に帰らずにそのまま路上で100分乗りっぱなし)でしたが、1コマだけの人もいたようです。渡される予定の組み方次第ですね。
初の路上、とにかく緊張して不安だらけだったのですが、ここで初めて担当していただいた先生がとっっても良い先生……というか、相性の良い先生だったのに救われました。
茶化されつつ励まされ、お恥ずかしながら行きと帰り2回くらい泣きました。(優しさに感動してた)
もちろん初の路上教習なのでびくびくしながらでしたが、教習所内のコースを走るときに比べたら断然楽だなと思いました。
だってS字もクランクもないし、右折レーンがあるし(地域によると思いますが)、何より圧倒的に広いので余裕を持って行動することができます。控えめに言っても最高です。もう教習所内のコース、特にS字やクランクは走れないと思いました。

 

2. 〜路上教習5日目

第二段階では、第一段階と同様学科を受けつつ、路上教習を進めていきます。
第二段階も学科の効果測定はありますが、正直テストの内容としては第一段階に毛が生えた程度のものなので、仮免を取得出来た人ならもう楽勝と言っても過言ではないと思います。
逆に言うと、第一段階の学科の内容を忘れていないうちに第二段階の難しいところ・出そうなところを自学して、すぐにでも効果測定を受けてしまったほうがいいです。やはり早めに受かったほうが後が楽になりますしね。
技能教習については、段階を進めるとはいってもS字やクランクがあるわけでもないので、基本的に教習所まわりをひたすら運転することになります。
そこで先生から細かい部分の指摘を受け、改善していくと言った感じ。先生によっては乗らせるだけ乗らせて喋って終わりって先生もいますけどね……。楽しかったけど、あの時間はなんだったんだろう……。
路上教習をだいぶこなせるようになってきたところで、2コマだけ教習所内で練習する時間がありました。左右の方向転換縦列駐車です。
これが中々難しかった!S字・クランク系のテクニックを覚えるタイプの教習です。仮免試験の日が一番ハードな日においても路上とは別にいずれかが課題として設定されます
正直最初の1コマではやり方を教わりとりあえず実践してみるのに必死で、練習は殆ど出来ませんでした……。
どうしよう無理!!とかなり焦りましたが、後に1コマまたコース内で縦列駐車・方向転換を練習する時間があり、そこで別の先生にコース内だから出来る、ちょっとズルいコツを教わりました。ポールとか使うやつね。

 

3. 路上教習6日目〜卒検直前

このあたりから、「体験授業」的なものが増えてきました。応急救護危険運転③高速教習。ざっくり内容を説明すると、①は教室で傷病者の手当を、人形を使って実践。②は場内で「急カーブ」「急ブレーキ」を体験(もちろん自分が運転する)。③は高速道路を走行するものです。
①は学科に近いスタイル、複数人で授業を受ける感じ。後者2つは3人1組での実践です。
この免許合宿で一番楽しかった授業は?と聞かれたら危険運転かな〜!一緒に乗ったメンバーがみんな友人で、担当が大好きな先生だったのが大きかった!自分で危険な運転をしてみてキャーキャー言って騒いで……。うん、楽しかった。
逆に一番怖かったのは高速教習。一番不安だった合流は車がそんなに多くないところだったので苦ではなかったのですが、高速に乗ってからのハンドルの扱いが予想以上に難しい。ちょっとしたカーブでも速さがあると怖くて、しかも視界が一定なので集中力も切れてきて……と、とても不安な50分でした。(2人1組、2コマ連続授業でした)
複数授業が増えてくると残りの予定表も短くなり、卒検という字が嫌でも目に入るようになります。このあたりからまた仮免前のような不安感焦燥感を感じることが多くなり、自信を喪失することもありました……。
それでも、仮免前よりは気持ちマシでした。初路上から数日場外を走行してみて、うまくできたと思えることも増えていたからです。仮免前はなんにも上手くいかないのになんでもう試験なんだ、と思っていましたからね……。
そうそう、このあたりからスケジュールに開きができることも多くなり、その時間を使って2回ほど観光に行きました!
教習が午後から始まる日、友人3人に連れられてタクシーを使って行った海。きれいだったなあ!午前中で遊び尽くしたおかげで午後からの教習は地獄だったけどね!

 

4. 卒検

仮免前よりはマシと書きましたがそれでも不安感は強く、前日は明け方に起きてしまったり、卒検を受ける夢を見てしまったりと散々でした。夢にまで見た卒検……()
当日、朝受付を済ませ説明を聞きます。この際にルートと順番も発表。私はチームで最後の走行、場内課題は方向転換(左)でした。路上ルートも発表されましたが、番号だけ言われてもどこだかわかるわけがありませんでした……笑
周りが仮免前以上に緊張しているのに比べ、私は緊張感もなくあくびを繰り返していました。いや、緊張感をなくすためにあくびをしていたのかもしれない……。程よい緊張感が良いというのは、仮免の際に実感したことですしね。
前の受験番号の友人の運転が終わって、自分の番がやってきました。この時もなんとか程よい緊張感を保ちつつ、冷静に判断しながら走行することができました。
何よりありがたかったのが、障害物や飛び出す人がいなかったこと、右折時に対向車があまりいなかったこと。特に障害物は、見つけたら安全確認したり避けたり短距離で様々な動作をする必要があるので、できれば会いたくないと前日から空に祈っていました。祈りが通じた気がする。神様もあの地域の方々も本当にありがとう。
自分の路上コースを走行し終わったら、教官の運転する車に乗って教習所に戻ります。行きもそうですが、教習所から出てある程度遠ざかったところで検定が始まり終わる、といった感じでした。教習所に戻るの超苦手だったので、よかった……。
教習所に帰って暫くしたらまた呼び出され、こんどは場内課題です。上記の通り、私は方向転換(左)。イメトレはばっちり。さあ乗るぞ!このポールがこう見えたらハンドルを切る!おっと!右前輪が乗った
まさかの事態にまたしても頭の中の自分が草を生やしました。タイヤが縁石に乗ってしまった以上、リバースからドライブに変え、最初の位置に戻るしかありません。なんとか戻り、またリバースにして再開。2回目はなんとか抜けました……よかった。
まだまだ油断はできません。私が一番苦手だったのが、左バックで入ってから右側に出ること。練習では大体車を入れるのはできるのですが、出るときに脱輪してしまうことが多かったのです。しかし入れる段階で脱輪している以上もう脱輪はできない……。そう思い、なるべく冷静に大回りで道を抜けました。なんとか出られた……!ヨッシャー!!
方向転換の課題は出るところまでが1セットなので、出てしまえばもうこっちのものです。発着所まで自分で運転して戻るわけですが、まあ採点箇所じゃないと思うと気楽ですね。仮免前はあんなに苦労してた右左折もカーブも、余裕でできるよ……成長したなあ
ここまで終わり、検定員の教官からのワンポイントアドバイス。私が注意を受けたのは、「左折・停車時の左寄せが甘い」ということ。思いっきりタイヤを乗せた場内課題については何も言われませんでした。あまりのアドバイスの短さにむしろ見放されてるのでは……?と不安になりつつ、友人と一緒に結果が発表される教室に戻りました。
結果発表までの時間は、すごく長く感じました。なんだかんだ「多分いけただろう」って気持ちはあったのは仮免技能後と同じで、そこまでネガティブにはなっていなかったのですが……それでも不安はあり、何をしようにも手につきません。友人もナーバスになっていてあまり話せず。
30分ほど待ち、教官が教室にやってきました。静けさの中、教官が言いました。「この教室の方は全員合格です」
静けさにざわつきが広がって、教室の空気感が明るいものに変わりました。あまりの嬉しさに、友人の腕を何度もぶっ叩きました。飛び跳ねたい思いでした。
その後最後の昼食を食べたりアンケートを書いたり卒業証明書を受け取ったりして、解散となりました。いや、合格発表から後、びっくりするほどあっけなかった。
そんなこんなで送迎バスに空港まで連れて行ってもらい、飛行機に乗り自宅へ。これで14泊15日の免許合宿は終了しました。

……ちなみに、教室の全員が合格ということでしたが、お情けで……とか後が詰まってるから……ということはあまり無いんじゃないかなと思っています。複数教習で他の子の車に乗ることも多かったのですが、みんな普通に上手い子が多かった。みんながみんな頑張った結果の全員合格だったんじゃないかなと思います。そういう意味で、卒検は楽勝という油断は禁物です。(私より1週間前に入校した子から聞いた話、落ちた子もちらほらいたそうです)
脅すような書き方になってしまいましたが、それでも仮免よりは合格率が高いんじゃないかなと思います。やっぱり車への慣れが違いますし、きちんと考えて冷静に運転できればきっとみんな合格できるはずです!

 

5. 14泊15日の免許合宿を振り返って

あっという間のようで、きっと全然あっという間じゃない15日間でした。今でも思い出されるのは、仮免前の地獄のような苦しみです。あのときは1日1日が憂鬱で、時が過ぎるのがとても長く感じていました。
今振り返ると、あの頃の自分がなんとか踏ん張ってくれて、本当に頑張ってくれたなと思います。恥ずかしながら、人生で一番悩んで苦しんで頑張った期間だったように思います。
もちろん友人に恵まれたことも大きく、毎日一緒に頑張れる仲間がいるのも良いものだなと思いました。すぐ心が折れそうになるダメ人間の私を引っ張ってくれたのは、間違いなく友人たちです。
この記事は卒検が終わってすぐに書いているのですが、未だに自宅に帰るということに実感がありません。それくらい宿舎での生活に慣れ親しんでいたんだなあ……。これについても仮免前と後で考え方が変わっていて、前は「家に早く帰りたい」だったのが、仮免後には「宿舎に早く帰りたい」となっていました。
最後の学科試験はまだですが、何はともあれ、ストレートで教習所を卒業できて本当に良かったです!

 

5. 合宿免許中・これから合宿免許の方へ

合宿免許は、短期間で取得できる、毎日乗れる、プランによっては食事までついてくる。このあたりは本当に大きいメリットだと思います。

ただ、期間が限られているその分だけプレッシャーは大きいし、ついていくための努力が必要不可欠だなとも思いました。

私自身、同じ合宿免許に参加するとどんな感じなんだろう?合宿中はみんな何を考えてるんだろう?……と、他の人の体験談を検索しまくった人間なので笑、今合宿免許の何かに苦しんでいる人合宿免許に参加しようか迷っている人、そんな人に私の体験談が何かしらの意味のあるものになったら嬉しいです。